はじめに
Webエンジニアなのになぜか統計学のポストが増えてしまった……。
業務で「価格弾力性」という統計学の概念を考える案件にあたったので、軽くまとめてみる。
定義
弾力性とは何かが変動したときの変化率に対して,一方もそれに対応して変動する変化率について,その変化率どうしの比率をいう。
消費者や生産者について,所得の増減や価格の変動などが起きたとき、購入量や生産量をどのように変化させるかを表す。
定式化
一般に、以下のような対数関数の微小変化の形式で表すことが多い。
この定式化と前節の定義の対応は、上記の簡単な式変形からわかる。
個人的には、「ある目的変数yにおける説明変数xへの敏感さ」のようなものを捉えることができるという理解。
参考: 対数変換を行う意味について。回帰分析において対数変換する背景にある前提とは?
経済学的な意味
需要の概念と弾力性
- 需要の価格弾力性とは,商品の価格の変化によって需要がどの程度変化するかを示すもの
- 価格が上昇すれば需要が減少、価格が下落すれば需要は拡大
- 需要とは,個人や企業などの経済主体が、市場において交換・販売を目的として提供される財・サービスを購入しようとする行為のこと
有効需要
- とくに貨幣などの購買力に裏づけされた需要
- 商品は需要があって初めて生産される。生産しても売れなければ滞貨が生じ,結局,生産は売れる規模にまで縮小される。
- たとえば,人々が自動車に対する強い欲しいという気持ちをもっていても,それを購入する貨幣をもち,実際に需要者として市場にでてくる (購 入する) のでなければ,自動車生産は刺激されない
- この貨幣支出の裏付けをもつ需要が有効需要である
弾力的/非弾力的な需要
弾力的
需要量は価格や所得に反応するが、価格や所得の変化に対して大きく反応を示すこと
例)居酒屋のメニュー
- 「明日から 20% の値上げがある」とする
- その結果、居酒屋にいかなくても生きていけるので、以前より気軽に利用しにくくなり利用回数も減るだろう。
- つまり、「価格の変化に対して需要が大きく変化する(=弾力性が高い)」と言える。
例)インフルエンザ
- 服用するタミフルが値上がりしたと仮定する
- しかし、インフルエンザ感染者は、「値上がりしたし買うのをやめて我慢しよう」とはならない
- これは、「価格の変化に対して需要がほとんど変化しない(=弾力性が低い)」と言える
一般化すると…
-
非弾力的な商品
- 生活必需品や代替性のある商品が存在しない商品、所得と比べて支出額の小さい商品などに多くみられる
-
弾力的な商品
- 贅沢品や代替性ある商品が存在する場合や所得と比べて支出額の大きい商品などに多くみられる